お医者さんの予約の前に、お薬がなくなったらどうしたらいいの?

カナダで薬剤師として働いていて、ここが日本と決定的に違うな〜という

薬剤師の権利(業務)のひとつが、Emergency Supply (緊急の薬の処方)というものです。

日本だと、処方箋がなければ患者さんはお薬がもらえないですが、ここカナダでは

薬剤師が処方元になり、患者さんに薬をだすことができます。

患者さんにとっては便利すぎるシステムだと私は思います。薬剤師にとっては、いいような悪いような。(笑)

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ということで、Emergency Supplyって何?っと思われたはず。Emergency Supplyについて説明したいとおもいます。

Emergency Supply とは。

Pharmacists may exercise professional judgment in the provision of emergency prescription refill supplies of a medication. This practice is the exception to the rule and not the normal practice.

A pharmacist may dispense an emergency refill in the following situations;

  • –  where a patient’s medication supply has been exhausted, a refill may be dispensed to ensure

    continuity of care. OR

  • –  where a patient attends the pharmacy for an authorized refill of a valid prescription but

    PharmaNet returns the message, ‘101 Prescriber not found’ or ‘D3 Prescriber is not authorized’ and the pharmacist ensures that the patient is not on Pharmacare’s Restricted Claimants Program, a refill may be dispensed to ensure continuity of care and to allow time for the patient to find a new prescriber.

上の引用を簡単に説明すると、緊急処方とは薬剤師の通常の仕事とは違います。

患者さんの薬がなくなってしまった時や、処方したドクターがリタイアなどをしてしまった時などに、患者さんがドクターに会うまでの間の薬を処方することです。

緊急処方をして薬を出した場合は、処方箋に理由を明記しておく必要があります。

例えば、 高血圧の薬がなくなったけれど、次の診察日は来週なので1週間分の薬をだした。

というような感じです。

カナダの薬剤師業務は、自己判断のところが多く難しい

カナダの薬剤師はいろいろな権限があるので、日本で働いていた時よりも、いろいろなことで、

う〜ん。どうしよう!Hummm What should I do?

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っていうことが多いですね〜。その理由は!!!!

法律の線引きがあいまいで、患者さんのベネフィットとなるならば良い。ということです。

ということで、その時々で対応を変えていかなければならないし、薬剤師によって判断が異なってしまうということです。働き出して6年たったいまでも、どうしようかな〜なんてことは、日常的。ということは、新人の時は、胃潰瘍になるくらい悩む(笑)ということです。

働き出した時は、夜中に、あれって、正しい判断だったのかな?って飛び起きたり。あっ 間違ったかも、と冷や汗をかいたり、いろいろと精神的にびくびくしていました。笑 

実は、私、小心者です。白衣をきて、この小心者っぷりを見事にかくしていますが・・・

 

薬剤師によって線引きがあいまいの例が、

 

1)平日の昼過ぎ 30代の患者さん

睡眠薬がなくなってしまったから、数日分緊急処方してください。

私の判断は、クリニックがあいているし、睡眠薬は絶対必要なものではない。もしどうしても欲しいなら、診療所にいけばいい。という判断で緊急処方はお断りです。

同僚は、いつも飲んでいる睡眠薬だから1週間分あげますね。

という判断です。ただ、ここでもし患者さんが高齢の場合は、簡単に診療所にいけないという要素を考慮して、私も数日分お薬をあげます。

というように、emergency supply には自己判断しなくてはいけない要素がたくさんあります。

2)週末 50代の患者さん

偏頭痛が始まったのですが、薬がないので数錠ください。

私の判断は、いつも服用しているお薬だから、お薬数錠分だします。これはたぶんどの薬剤師も同じような判断だと思います。ただ本当に偏頭痛であるかの確認はします。

3)週末 40代の患者さん

睡眠薬(clonazepam  依存性のあるお薬)をトイレに落としてしまったので、もう一度3ヶ月分ください。

私の判断は、まずトイレになぜお薬を落とす?それも依存性のあるお薬。基本的に依存性のあるお薬は、緊急で処方することは私の場合ないので、お断りです。

ただこれが、旅行先にお薬を忘れてきてしまって、どうしても必要で明日ドクターにあいます、なので1日分ください。ということだと・・・理由がはっきりしていて、あやしくないという判断で、1日分薬をだすかもしれません。これも薬剤師のその時の判断ですね。

このあやしくないなっという感覚と、理由が明確というのが、薬の緊急処方をする時に一番大切な感覚だったりします。この emergency supply は、回数をこなすことで自分のなかの線引きがはっきりしてくるものだと思います。

という感じで、薬の緊急の処方を1日数回します。

もしお薬がなくなってしまったら、

ということで、日本人の方には馴染みがないと思いますが、

カナダで処方してもらって飲んでいるお薬がなくなってしまったら、いつもお薬をもらっている薬局に電話をして、お薬をもらうことができるかどうかきいてみてください。緊急でお薬を出す以外にも、お薬を出す方法があるので(そのうち説明します)、とりあえず、薬を飲まないというのではなく、薬剤師にそうだんしてみてください。カナダ人のかたは、だめもとでいろいろなことを頼んでくるので、薬剤師も無理難題には慣れています(笑)

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