カナダの薬局で働いていると日本ではまずでてこないであろうフレーズを聞くことがしばしば。今回は
薬剤師が私のID盗んだから弁護士に相談して訴える!というフレーズ。
弁護士、訴えるというこの単語。日本の薬局ではまず聞くことはないはず。
ここカナダではたまにあります!この単語を聞くたびに あっ!カナダだ!と心の中で思います。笑
1)盗んだ騒動になったいきさつ?
高齢の患者さんが処方箋を持参。
いつもの薬局でなくなぜかこの薬局に来る。英語が母国語ではない。
ということで、私たちは患者さんのIDを確認する必要があります、
薬剤師は患者さんのIDを確認して、そのIDをすぐに患者さんに返したとのこと。基本的な仕事の流れとして書類やIDの返却忘れを防ぐために、確認した後すぐ書類等は返します。
処方されているお薬の数が多かったので待ち時間を30分というと、そんなに待てない!ということで多少口論になったとのこと。あと言葉がうまく通じず多少いきちがいなどがあったと様子。
しぶしぶ患者さんは30分後にとりにくるといって薬局からでていった様子。
2)あの薬剤師が私のIDを盗んだ。が第一声!!
30分後にもどってくることなく数時間後に戻ってきた患者さんがひとことめに薬剤師にいった言葉が、かなりの衝撃発言!
患者さん)盗んだID返してくれ!
薬剤師)? IDないんですか?薬局にわすれたのですか?
といって忘れ物置き場を一応確認するが、何もみつからないので
薬剤師) 薬局にはあなたのIDないですよ。
患者さん)あんたが私のID盗んだか捨てた!
こんな会話が永遠に続き、最後には弁護士に相談する!という捨て台詞を残し、患者さんは、薬局をさっていたのでした。
カナダの薬局で何年も働いていますが、ここまでのびっくり発言は久しぶりです。腹がたつというより、すごく寂しい気持ちにさせられる事件なのは、私だけですかね?こういう歳のとりかたはしたくないね〜と薬局のスタッフと話していると。
3)今度は。。。。
患者さんの家族がやってきて、
アシスタント)どこかで書類やIDおとされたのでは?
家族)彼は100%落としたり忘れたりなんてしてないわ。彼の態度がきにくわなかったから、薬剤師が彼の大切な書類とかを捨てたのよ。
家族)薬局もサービスでしょ。こんな最低のサービスをうけたとこはないわ。薬剤師の態度が悪すぎるわ。
話はそれるうえ、薬剤師がIDを捨てたと薬局前でいい続けるので、これはかなりの営業妨害になるということで。
とりあえず、もしなにかアクションをおこしたいんならオーナーのいる日にきてください。ということに。薬剤師がIDを捨てたりすることはないし、薬剤師の態度が悪かったこともない。ただ言語のバリアでいきちがいがあったのでは?薬局はサービス業ではあるけれど、できないことはできないといわなければならないし、安全が一番と説明するが、理解してもらえる様子はない。
ここまでくると、
薬局スタッフ全員が はい??? 何をおしゃってるのですか?
状態です。笑
4)さすがなオーナーの対応。
オーナーが仕事をしている日に患者さんが、やはりやってきて。
薬剤師がIDをすてた。薬剤師の態度が悪すぎると永遠に同じことをいい続けた患者さんに対して、
オーナーは そういう事実はない!とぴしゃりといってのけ、もし訴えたいのなら弁護士、警察を連れてこればいい。と一言。
さすが、このカナダで何十年も仕事をしているだけはあるな〜という対応でした。私だったらこういう対応できたかな?と考えさせられます。
そして薬局スタッフに一言。こんな小さなことにいちいち耳をかさなくていい。人生短いんだから楽しまないとね。ニコッと。いやあ〜
さすが!です。
おろおろする自分とは大違いのオーナー。人生とは経験の積み重ねなんですかね。
(患者さんの情報、バックグランド、状況等は多少変えています)
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